「テレパシーで他人が考えていることを読み取ることができたらなぁ…」なんて空想してみたことはありませんか？　女性なら誰でも「好きな人の気持ちが読み取れたら…」と切実に願ったこともあるかもしれませんね。
でも、私たちのようにキャバクラで働くフロアレディは、実はお客様の気持ちを少しだけ読み取る能力を持っています。今日はその秘密を少しだけお教えしますね。

「なにげない仕草」を見逃さないで！

たとえば彼氏とデートしているとき、何を話してもうわの空。それにさっきから時計ばかり見ている…。そういうとき、あなたはどう感じるでしょうか。

「なによ！　私のことが好きじゃなくなったの？　ひょっとして浮気してるの？」などと疑ってしまうかもしれませんね。

このように、私たちはふだんから無意識に、このように人のなにげない仕草を見て考えていることや感じていることを察知しようとする習慣があります。

でも、「女のカン」だけに頼っていてはダメです。私たちはキャバクラで働くプロのフロアレディとして、先輩のみなさんからいろんな経験を教えていただいたり、ベテランの営業マンの方のお話を聞いたり、初歩的な心理学を勉強したりして、もう少し深いところまで人の心を読み取る練習をしています。

よく鏡を見る男性は…？

たとえば、常連のA様。ある日ご来店いただいた時、ガラスに映る自分の横顔をとても気にしていらっしゃいました。

「自分の姿に見とれるなんて、ナルシストなのかしら？」と思う人もいるかもしれませんが、私たちはそうは思いません。

ふだんからいつも自分の姿を気にしている人は、「人に見られる仕事をしている人」が多いようです。常にみだしなみに気をつけなくてはいけないので、鏡をみることが習慣になっているのですね。

でも、A様はふだんはあまりそういうことはなさいません。（ひょっとしてケガでもなさったのかしら？それとも美容室で気に入らないカットでもされたのかしら？）と思っていました。でも、髪も最近カットした様子はありません。

後で聞いた話ですが、A様はその日、出会い頭に部下と廊下でぶつかってしまい、頬骨のあたりを打ったのだそうです。明日は大事な商談があるので、顔に腫れがないか無意識に気にしていた、とのことでした。

腕を組む男性の気持ち

いつもダンディで紳士的なB様。B様にあこがれの気持ちを持っていたあるキャストが、長々とB様に自分の話を聞かせていました。

B様はいつものように優しい笑顔で、彼女の目をじっと見てうなづきながら話を聞いていました。そして話が長くなるにつれ、軽く腕組みをして話を聞くようになりました。

私は「あっ…」と気づいて、彼女にサインを送り、会話を中断してもらいました。
なぜなら、男性の腕組みは「守りの意志」を表すと聞いたことがあったからです。

優しいB様は笑顔で彼女の話をずっと聞いていましたが、やはり内心はちょっと疲れていらっしゃったのですね。つい無意識に腕を組んで、自分を守りに入っておられたのでしょう。
「じっと目を見て笑顔で私の話を聞いてくれている…ひょっとして私が気に入っているのでは…」というのはどうやら彼女の一方的な思い込み、カン違いだったようです。

もちろん私たちフロアレディも100発100中でお客様の気持ちが読み取れるわけではありません。
でも、勉強やトレーニングによって少しでもお客様の気持ちや心理を察し、して欲しいことや望んでおられるものを先回りしてご提供できるよう、これからも勉強していきたいと思っています。